イタリア関連⑥ マテーラ/Matera Travel Guide: History of the Sassi District and Why It Became a UNESCO Site
イタリア南部にある町 マテーラ。
この町には、数千年前から続く独特の都市景観があります。
石灰岩を掘って作られた洞窟住居 「サッシ」。
岩の斜面に広がるこの旧市街は、人類の生活の歴史を今も静かに伝えています。
かつては劣悪な生活環境から人が去り、ゴーストタウンとなったこの場所。
しかし現在では世界遺産として再生し、多くの人々が訪れる町となりました。
今回は、マテーラの旧市街 サッシ地区 の歴史と魅力を紹介します。
サッシ地区とは
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チヴィタの丘(Civita)
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サッソ・カヴェオーゾ地区(Sasso Caveoso)
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サッソ・バリサーノ地区(Sasso Barisano)
中央にそびえる大聖堂を挟み、
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南側 → カヴェオーゾ地区
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北側 → バリサーノ地区
と呼ばれています。
また「サッソ(Sasso)」とは岩場の居住地を意味し、その複数形が サッシ(Sassi) です。
サッシ地区の始まりは新石器時代
サッシ地区の発祥地は、大聖堂が建つ チヴィタの丘。
この地域の起源はなんと 新石器時代 にまで遡ります。
当時はまだ建物はなく、
岩を掘った洞窟住居のみで構成されていました。
現在見られるような建造部分が増え、
町としての形が整っていったのは 中世以降 のことです。
そのため壁の石の中には貝などの化石が残っていることがあります。
これは、この土地がはるか昔は海だったことを示す証拠なのです。
迷路のような洞窟都市
サッシ地区を歩くと、まるで迷路のような風景が広がります。
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入り組んだ細い路地
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何層にも続く階段
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岩を掘って作られた教会
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廃墟となった洞窟住居
独特の雰囲気を持つ景観は、世界でも非常に珍しい都市構造です。
この町では、下の住居の天井が上の住居の床になっているという構造も見られます。
かつての生活環境
生活は非常に過酷だったと言われています。
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人と家畜が同じ空間で生活
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地下に雨水を貯水して生活用水に利用
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排泄は尿瓶を使用
衛生環境は非常に厳しいものでした。
戦後に起きた強制移住
第二次世界大戦後、サッシ地区の生活環境は不衛生であると判断されます。
その結果、政府は 住民の立ち退き政策 を実施。
住民は新市街へ強制移住させられました。
こうしてサッシ地区は一時、
廃墟のようなゴーストタウンになってしまいます。
世界遺産登録と復活
しかし時を経て、マテーラは再び注目を集めます。
1993年、
ユネスコ世界遺産に登録。
この頃には修復が進み、
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ホテル
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レストラン
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観光施設
などが増え、観光都市として復活していました。
現在では、サッシ地区の約7割に人が住んでいると言われています。
地形の特徴
サッシ地区の地形もとても特徴的です。
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①新市街 → 高い位置
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②チヴィタ地区 → 中央の丘
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サッソ・バリサーノ / カヴェオーゾ → 谷の斜面
つまり、サッシ地区は谷に沿って広がる町になっています。
さらに近くには グラヴィーナ渓谷 が広がっています。
簡単に言うと→町の中央には丘があり、そこから2つの谷に向かって町が広がるY字型の構造になっています。
まとめ
マテーラのサッシ地区は
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新石器時代から続く人類史
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岩を掘って作られた洞窟都市
- 1950年代:貧困の象徴として住民が移住 → 戦後のゴーストタウン化
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1960〜70年代:歴史的価値が再評価される
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1980年代:修復・再生プロジェクト開始、映画のロケ地として世に広まる
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1993年:ユネスコ世界遺産登録
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観光地として世界的に有名に
つまりマテーラは
「スラム → 廃墟 → 世界遺産」
という非常に珍しい歴史を持つ都市なのです。
迷路のような路地を歩いていると、
まるで何千年もの時間の中を旅しているような感覚になります。
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