本紹介③ 希望を信じるー2冊 / どこよりも遠い場所にいる君へ、また君と出会う未来のために
☆今回紹介する本 タイトル:どこよりも遠い場所にいる君へ、また君と出会う未来のために 出版社:集英社オレンジ文庫 著者:阿部暁子さん ① 『どこよりも遠い場所にいる君へ』 ☆内容の概要 月ヶ瀬和希は、父が原因で世間から白い目で見られ、生きづらさを感じていました。その秘密を抱えながら、知り合いのいない離島の高校に進学することを決意します。島には「神隠しの入り江」と呼ばれる不思議な場所があり、夏の初め、和希はそこで少女が倒れているのを発見。彼女との出会いをきっかけに、島で出会った仲間たちと関わりながら、自分の居場所と未来を見つめ直していきます。苦しみの中でも、信じられるものや、尊さを持った人々との出会いがあることを描き、読者に生きる力を与えるような物語です。 また、「神隠し」や「マレビト」の伝承が交錯しながら、友情や愛情、そして人を想う優しさにあふれた展開へと進んでいく構成です。島の人々の過去や秘密が少しずつ明らかになっていくのも面白いと感じました。ラストには驚きと感動が待ち受け、涙なしでは読めない一冊です。 ☆私の価値観と重なった部分 (※長文を端的にしたい&ネタバレ防止策 :” ~ ”を多用) 1. 「やさしさは強さ」への共感 「あなたはあんなに傷ついていたのに、私を思いやり助けてくれた。」 「やさしいということは、強いのです。それは敵を打ち負かす強さとは違う、どんなに傷を負っても~を見失わずに生きていける力のことです。」 努力や優しさを“生き抜く力”と結びつけているところや、信じる・”輝く”ものに関して、私の価値観と重なり心に響きました。私が持っている「努力は、成長や自信を生む」という考え方と同じで、この小説でも本当の強さは外に示す力ではなく、内に持つ心の在り方として描かれています。 2. 世界の冷たさと、それでも人を信じたい心 「人間は醜い。この世界は冷たい。あたりを見回せば嘘と悪意ばかりが目について、敵だらけのような生きづらい場所で、ときどき無性に消えてしまいた~でも同じ人間が肩を貸してくれることもあれば、世界がふいにほほえんでくれることだってある。神様とか奇跡としか言いようのないものが、~みたいに。それは百回苦しんでやっと一回報われるような、ささやかすぎるものではあるけれど、私たちが生きる場所はそこまで捨てたものじゃない。」 世界の不条理や悪意に...